危険な愛を抱きしめて
 

「あ……あっ……
 ……くぅん……」



 それでも、ようやく。

 腕の中で、由香里が甘く鳴く。

 これは、由香里のカラダが濡れてきた合図だと。

 いきり立った自分自身を、オレは由香里の胎内にうずめた。

 とたんに。

 由香里は改めて、苦痛を訴え……あえいだ。


「あっ……あああっ……!」




 ……由香里は……



 ……初めて、だったんだ。



 由香里の痛みが。



 流れる血が。



 オレが彼女の初めての『男』だということを指し示す。
 
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