危険な愛を抱きしめて
「現在、九条家は、ちょっとした騒動に巻き込まれておりまして……
何の罪も無いアヤネさまを狙う不届き者も多いのです」
坂田は、そういってオレの手を握らんばかりに近づいてきた。
「もちろん。
学校への行き帰りをはじめ、ほとんどすべての外出には。
信頼のおける者が、車でアヤネさまを送り迎えしているのですが……」
言って坂田は、ため息をついた。
「今日のこの時のように、アヤネさま自ら姿を消してしまわれると……
私どもにはなんとも、お守りできません」
ちらっと、恨みがましい目で眺める坂田に、アヤネは舌を突き出した。
「だって、窮屈なんだもん!
久しぶりに、音雪と一緒に帰りたかったんだもん!」
……アヤネ。
あんたの家は「ちょっとしたいざこざ」で、ヤクザに囲まれるのか?
何をしているんだか……は、巻き込まれたくないので、訊かねぇが。
「……アヤネ。
迎えに来てもらって良かったな。
今日は、もう車で帰れ」
「………ヤよ」
アヤネは、ぷう、と頬をふくらませた。
何の罪も無いアヤネさまを狙う不届き者も多いのです」
坂田は、そういってオレの手を握らんばかりに近づいてきた。
「もちろん。
学校への行き帰りをはじめ、ほとんどすべての外出には。
信頼のおける者が、車でアヤネさまを送り迎えしているのですが……」
言って坂田は、ため息をついた。
「今日のこの時のように、アヤネさま自ら姿を消してしまわれると……
私どもにはなんとも、お守りできません」
ちらっと、恨みがましい目で眺める坂田に、アヤネは舌を突き出した。
「だって、窮屈なんだもん!
久しぶりに、音雪と一緒に帰りたかったんだもん!」
……アヤネ。
あんたの家は「ちょっとしたいざこざ」で、ヤクザに囲まれるのか?
何をしているんだか……は、巻き込まれたくないので、訊かねぇが。
「……アヤネ。
迎えに来てもらって良かったな。
今日は、もう車で帰れ」
「………ヤよ」
アヤネは、ぷう、と頬をふくらませた。