危険な愛を抱きしめて
 そう、ショコラは。

 冗談とも、本気ともつかない、妖しい顔をして言った。

「もし、良かったら、雪ちゃんも私を抱いてみる?
 外見は、全く女の子と変わらないから、面白いっていう男のヒトも多いし。
 私の方も、雪ちゃんみたいにキレイなコだったら是非、お願いしたいわね?」

「……!」

 何を莫迦なコトを言ってるんだ! と。

 オレは、思わず目を見開いた。

「……あんたは、そんな……
 行きずりの男でも……誰にでも、カラダを開くのか!?
 その、女のカッコになってまで、好きになったヤツのコトは、どうするんだ!」

 オレの言葉に、ショコラは、目を伏せて言った。

「私、今、フリーだし」

「……え?」

「……じゃなかったら。
 何も、クリスマスイブに。
 元の名前で呼んでくれるようなお友達と、遊びに行くワケは、ないでしょう?」

「……」

「それに、もともと。
 私は、SEXをあんまりトクベツなモノとは考えてないのよ。
 お互い、仲良くなって、キモチイイコトをやりあいっこできれば、それでいいじゃない?
 SEXなんて。
 ちょっと、刺激的な、コミュニケーションの手段でしかないのよ」

 
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