危険な愛を抱きしめて
「しかも、音雪さんのその目……
普通の方には、判らないほど薄いですが『印(しるし)』がついていますわね?」
……え?
印……?
言っていることが判らずに、思わず眉を寄せると。
さやかは、ほほほ、と手の甲を口に当てて、高く笑った。
「音雪さんは、ウチで取り扱っている、薬を愛用して下さっているようですわね?
『アレクサンド・ライト』は高価でしょう?
この薬を常用していると、室内の照明で瞳の色が変わるので、一目了然ですわ。
薬欲しさに。
慣れないホスト・クラブでアルバイト、とは。
とんだ社会勉強ですわね?
こんな男(ひと)にウチのアヤネを任すわけには、まいりませんわ」
「……もとより。
時期を見て、アヤネ……さまとは、婚約解消をする予定でした」
すべて。
すべて、さやかには見通されていた。
かすれる、オレの声に。
彼女は、打って変わって明るい声を出した。
普通の方には、判らないほど薄いですが『印(しるし)』がついていますわね?」
……え?
印……?
言っていることが判らずに、思わず眉を寄せると。
さやかは、ほほほ、と手の甲を口に当てて、高く笑った。
「音雪さんは、ウチで取り扱っている、薬を愛用して下さっているようですわね?
『アレクサンド・ライト』は高価でしょう?
この薬を常用していると、室内の照明で瞳の色が変わるので、一目了然ですわ。
薬欲しさに。
慣れないホスト・クラブでアルバイト、とは。
とんだ社会勉強ですわね?
こんな男(ひと)にウチのアヤネを任すわけには、まいりませんわ」
「……もとより。
時期を見て、アヤネ……さまとは、婚約解消をする予定でした」
すべて。
すべて、さやかには見通されていた。
かすれる、オレの声に。
彼女は、打って変わって明るい声を出した。