危険な愛を抱きしめて
「あっ……いたっ……!
 いたたっ……!
 ダメ……そこ、違う……!」


 九条家の、プレイ・ルームでオレは、さやかを抱いていた。

 酒の置いてあるバーカウンター・まで設置された、この部屋は。

 ルーレットや、ポーカー台などが置いてあり。

 ラスベガスのカジノを模して作られてあるらしかった。

 ただ、そこと違うのは。

 部屋の片隅に、麻雀卓やダイエット用のルームランナーに至るまで。

 ありとあらゆる暇つぶしの道具が揃えてあり。

 更にその奥には。

 物語の女王が眠るときに使うような、ベッドが設置されていた。

 ……色々な意味で、ここは、プレイルームらしい。

 真新しい高級な寝具でキレイに整えられては、いるものの。

 他に、何人の男が使ったのかわからねぇ。

 さやかの浮気専用に設置された、薄汚いベッドの中に、オレは、いた。

 少量とはいえ。

 自分から飲んだ、アレクサンド・ライトの熱に浮かされるように、さやかのカラダを探れば。

 彼女は、不快そうに声をあげた。

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