危険な愛を抱きしめて

_(3)

 







 思ったより、ぐっと照明を落とした部屋だった。

 ほの暗い明かりに照らされて。

 アンティークらしい、高価な調度品や家具が割と無造作に置かれているのがわかる。

 キャビネットには、幾種類もの酒が並び。

 部屋の奥にはシャワールームもあるようだ。

 そんな妖しい雰囲気の場所に、薫と二人、ソファーに腰を下ろすと。

 ヤツが、にやり、と微笑んだ。

「図書館行きの名目で。
 一体、どこに連れて行かれるのかと思えば。
 ……大分可愛い、願いじゃないか」

「……うるせえな」

 薫を睨んでいるうちに、黒服の男が、オレたちに近づいて来た。

「……村崎さま。
 それでは、お二人で、どうぞ」

 黒服のあとに続いて、立ち上がるオレに従って、薫は、片目を瞑って言った。

「せいぜい、お手柔らかに、頼むぜ?
 ……初心者相手に、本気で攻めるなよ?」

 
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