危険な愛を抱きしめて
「……あんたが初心者、だって言うのは、知ってるさ」

 薫の言葉を受けて、オレもにやりと笑う。

「プール・バーだってはっきり言ったのに。
 クロールだったら、誰にも負けねぇって言うんだからな。
 ここが、プールじゃねぇコトが判ったか?」

「……要は、ビリャード場だろ?
 判ったよ!」

 薫は、笑いながら、デカイ手で俺の髪をかき混ぜた。

「……ぐちゃぐちゃ言ってないで、さっさと始めようぜ。
 ベテランらしい、音雪センセの腕前とかってヤツを見せてくれよ!」

 







 
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