危険な愛を抱きしめて
「お前に、選んだ薬は……
 すぐには、止められないんだ。
 中毒を起こしたら。
 段階を踏んで止めないと、激しい発作をおこすから」

 言って、薫は今までになく。

 暗く輝く瞳を細めた。

「お前に今まで中毒症状は見えなかったが……体質かもしれない。
 今まで渡していた量を考えると……
 急に止めるのは危険だ」

「……危険……か……」

 薫の言葉に、オレは薄く笑った。

「……例えば。
 今まで……飲んで……いた量の……
 何倍飲めば……死ねるんだ……?」


 
< 7 / 368 >

この作品をシェア

pagetop