そら
憧れの女の子






出会いは高校2年の春だった。


1年前と変わらない。
同じ席に、女子しかいないこの空間。



そんな私の背中をつん、とつつく人がいた。


「え?」


「ねえねえ。茜ちゃん。
 委員会、何にするか決めた?」


それまで誰も視界に入れなかった私に、
この少女はとても強く、
そしてとてもすんなりと目を向けさせた。






力強い目に、透き通るような声。


ドキドキとわくわくの、
期待に満ち溢れた表情。


真っ白い肌がとても綺麗で、
同性の私でも目を見張るほどの美しさ。


なんて言ったらいいのかな?





それは多分、恋心にも似た憧憬。




こんなに可愛い女の子が、
どうして私なんかに声をかけたの?






第一印象はそんな感じ。
そうして不思議だったの。



「えーっと・・・まだ決めてないや」


ぎこちない笑顔がひきつる。


ほんとに。

私って友達づきあいが下手すぎる・・・。


すごく打ち解けやすく声をかけてくれたのに、
そのチャンスすら台無しにしちゃう私。


ドジって言うかどんくさいって言うか・・・。


「じゃあ次の係りは―」


「はい!やるやる!」




私の後ろで勢いよく手を上げたのは、
紛れもない彼女だった。




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