そら
私の高校2年生の1年はこんな感じだった。
時々友達を介して
仲良く話したことはあったけれど、
私はいつも、遠くから彼女を見ているだけ。
不思議な女の子。
周りのことは違う、
何かを感じる女の子。
結局、仲良くなりたいという私の願いは、
思いだけで終わった。
そう思っていた。
きっとこの子とは交差することもないんだろうなって、
思っていたの。
だけど、人の縁って不思議なもの。
高校3年の春、玄関先に掲示された紙を見て、
私は彼女との縁を目の当たりにした。
前後で並ぶ、私たちの名前。
教室で見た、あの凜とした姿。
本当に、これは恋に良く似ている。
気になって、気になって。
自然と目で追ってしまう。
同じ授業を選択したことも、きっと何かの縁なんだ。
「あ、茜ちゃんも一緒だ!良かった~!」
そんなふうに笑って駆け寄ってくれた彼女を見て、
私は嬉しかった。
凄く凄く、嬉しかった。
私と彼女だけのこの1時間だけは、
きっと何かを変えてくれる。
そんなふうに思ってた。
そうしてそれは、秋の寂しさと共にやってきた。