そら



それからの私たちは、
お互いに絵と小説を見せ合った。


私は彼女の絵を見るのが好きだったし、
彼女も私の作ったお話しを楽しみにしてくれていた。


こんなに、こんなに楽しいことってある!?


執筆がこんなにも人との繋がりを
強くしてくれることなんか、今までになかった。


ずっと隠してきたのに、
こんなにも見て欲しいと思ってる自分がいた。


彼女と関わることで分かってくることも増えた。


実は全然、近寄りがたいなんてことはなかったってこと。


そう思っていたのは彼女のことをあまり知らなかったから。


そして彼女は、歌がとっても上手。


テレビでよくやるカラオケの番組なんかに
出られるんじゃないかってくらい!


パワーがあって、曲調に合った声で魅了していく。


そして面白い。


自分をしっかりと持っているようにも思う。


私が音璃亜と強く関わって知ったのはこんな感じ。


もっともっと、知りたいと思った。


そして間近に迫る“卒業”の時を少しだけ、恐れていた。






だって怖かったの。





卒業してしまったら?



その後はどうなってしまうの?



離れてしまったらもうお終い?





せっかく仲良くなれたのに・・・。




卒業なんてしなくていい。






私は彼女との楽しい時間を終わらせたくなかった。



私1人だけが、
地元から離れて遠くの町に出てしまうことが、

堪らなく怖かった。




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