あの日見上げた空の色 ~君と過ごした時間~
ーーガラッ…。
図書室独特の香りが鼻をついた。
辺りは静まり返っていて、外から運動部の掛け声が微かに聞こえてくるくらい。
「…誰かいますか?」
そう呟いてみた。
すると奥のほうからガタっと音がした。
…一応、確認のために行ってみよう。
「…あのー。」
「ほんとに来てくれたんだ。」
目の前には知らない男の子。
見た目は背が高くて顔立ちがよく、いわゆるイケメンってやつだ。
でも吉田先生とは雰囲気が違う。この人はよく言えばクール、悪く言えば無愛想な感じ。
「この手紙書いたの、あなたなの?」
「あぁ。友達に渡しといてって言ったんだ。クラス違うし。」
クラスが違うってことは同い年か…。
え、同い年には見えないな…。
「そうなんだ…。」
「うん。」
「…。」
やば…沈黙だ。私こういうの無理なんだよね。
どうしよう。
「あのさ…。」
彼が口を開いたとき、春風がふわりと空間を包んだ。
「ずっと前から好きだった。俺と付き合ってほしい…。」
生まれて初めて言われた言葉。
生まれて初めて感じた感覚。
嬉しいとか幸せというよりも驚きのほうが大きかった。
「……。」
「今すぐにとは言わないから考えてほしい。」
彼はそう言いながら1枚の紙きれを差し出した。
それを受け取り、中を見ると…
「佐々木颯太。登録しといて。」
メールアドレスと電話番号が書かれていた。
その字は朝に貰った手紙の字と同じだった。
「…じゃあね。」
「っあ、あの…。」
佐々木颯太(ささきそうた)と名乗った彼は足早に図書室から出て行った。
図書室独特の香りが鼻をついた。
辺りは静まり返っていて、外から運動部の掛け声が微かに聞こえてくるくらい。
「…誰かいますか?」
そう呟いてみた。
すると奥のほうからガタっと音がした。
…一応、確認のために行ってみよう。
「…あのー。」
「ほんとに来てくれたんだ。」
目の前には知らない男の子。
見た目は背が高くて顔立ちがよく、いわゆるイケメンってやつだ。
でも吉田先生とは雰囲気が違う。この人はよく言えばクール、悪く言えば無愛想な感じ。
「この手紙書いたの、あなたなの?」
「あぁ。友達に渡しといてって言ったんだ。クラス違うし。」
クラスが違うってことは同い年か…。
え、同い年には見えないな…。
「そうなんだ…。」
「うん。」
「…。」
やば…沈黙だ。私こういうの無理なんだよね。
どうしよう。
「あのさ…。」
彼が口を開いたとき、春風がふわりと空間を包んだ。
「ずっと前から好きだった。俺と付き合ってほしい…。」
生まれて初めて言われた言葉。
生まれて初めて感じた感覚。
嬉しいとか幸せというよりも驚きのほうが大きかった。
「……。」
「今すぐにとは言わないから考えてほしい。」
彼はそう言いながら1枚の紙きれを差し出した。
それを受け取り、中を見ると…
「佐々木颯太。登録しといて。」
メールアドレスと電話番号が書かれていた。
その字は朝に貰った手紙の字と同じだった。
「…じゃあね。」
「っあ、あの…。」
佐々木颯太(ささきそうた)と名乗った彼は足早に図書室から出て行った。