私は先輩の浮気相手。







あたし、何時間授業サボってるんだろ…。

何て思いながら、屋上へ急いだ。



「かすみちゃん…」


「先輩…、教えたんですか。しゅうに……」


「バレてたんだ?」




どうして、と言おうとした時、先輩に抱きしめられた。



「玄関に彼がいて…、かすみちゃんの場所を聞かれたんだ。


正直言いたくなかったよ。

でもかすみちゃんは…彼をまだ好きだと思ったから」




辛そうにする先輩を。

もうあたしはほっとけないと思った。




しゅうに対する気持ちよりも、

先輩の傍にいないとって。





「先輩……あたしはずっと傍にいますよ」



ぎゅっと抱きしめたとき、先輩は微かに震えていた。

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