私は先輩の浮気相手。
先輩Story 5
「遠くない距離」
―かすみStory*
なつみは途中で断念して、歩き始めたから、あたしだけずっと走っていた。
唯がやっぱり元カノ―。
そっか。
やっぱりそうだったんだ。
初めて先輩を紹介したきた時から、唯は隠していたんだ。
周りに誰も人はいない。
1位かも知れないけど、こんな気持ちじゃもう走れない―。
涙がぼたぼたと溢れてくる。
なつみがさっき聞きたくないことを言ったから、もう限界だった。
『先輩となつみ、普通にキスもしたんだよ?
それでも過去は教えてくれなくて。
でもなつみの家に来たりして、離れないでって言ってくれたんだ。
だからなつみは、誰にも先輩を渡したくないの―』