私は先輩の浮気相手。
唯を託されて、少し調子に乗っちゃったんだ。
まさかあんなことになるなんて思わなかったから―。
「唯、シートベルトちゃんとした?」
「うんっ!」
「どれどれ?」
俺が点検しようとした時、動き出してしまった。
そういえば従業員が少なくて、安全面は不安だった。
大きな坂を下った瞬間、唯のシートベルトが取れてしまった。
俺は焦って、唯を抱きかかえようとした瞬間、段差を下った。
「きゃっ……!」
あの瞬間、俺は自分の力のなさを知ったんだ。
子供用のジェットコースターとはいえ、高さは十分あった。