私は先輩の浮気相手。
俯いたって。
泣きそうな顔しても。
ここ数日、唯は上の空だ。
きっと先輩と話していたからなのだろうか?
考えれば胸が痛くなる。
「じゃあ、」
「隼人!うちは…もういいんだって!
隼人がいてくれたらっ……」
「マラソン大会のとき、俺が奪ったつもりだったけど。
唯の心まではさすがに奪えないな。」
「え……」
「嘘ついてまで、俺を手に入れたいのか。」
あ。
唯、泣く。
でもごめん、とは言えない。
これは唯が幸せになる、確実な方法。
俺さえ離れたらいいんだから―。