私は先輩の浮気相手。






「本当は怖がりで、先輩の浮気相手なんて、無理だろう。」



はは、と乾くような笑みが聞こえる。

俺はオレンジジュースを飲み終える。



コップに浮かんだ自分が、何でか悲しく見える。




「馬鹿...見抜いちゃダメじゃん」


「嘘が下手だから悪いのだろう。」


「…応援したいじゃん。やっぱ、唯と先輩」


「結局は俺ら、自己犠牲しろってか。」


「それしかないんだよ」




かすみ、散々泣かされただろうに。

それなのに先輩が好きなのか。


―恋愛って、本当に難しい。


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