私は先輩の浮気相手。
「もう5時か…。
じゃあそろそろ電車に乗って帰らないと、帰宅時間遅くなっちゃうね」
「それもそうですね」
「行こうか、かすみちゃん」
「はいっ」
先輩はさりげなく手を繋いでくれた。
よかった。
先輩、元気戻って――。
「そういえば、」
「はい?」
「次のデートどこに行きたいか考えておいてね」
先輩と次があるんだ。
「…じゃあ、今度こそは海行きましょうよ」
「はは。それもそうだね」
次があるってだけで、こんなにも嬉しいんだね―。
隼人上手くいってるといいな―。