私は先輩の浮気相手。
コンコン
部屋がノックされる。
でもあたしの睡魔の方が圧勝してる。
「かすみ、うちだよ!
ほらほら起きてっ」
「……んー。眠いから30分後ね」
「仕方ないなぁ。
おばさん、かすみ起きるまでいいですか?」
この声―…。
よく知っている声だ。
小さい頃なんて、毎日朝から夜まで遊んでた時の声と似てる。
窓ガラス割っちゃったり、
お隣さんの家にボール投げちゃったり、
犬に襲われかけたり――。
馬鹿みたいな思い出、いっぱいあったっけ…。