私は先輩の浮気相手。
唯は小さく頷いた。
「あの先輩、掴みどころないし…」
「こらこら。かすみ?
もう先輩って呼ばないんでしょ?」
「…未だになれてなくて、冬真先輩って...」
「えぇっ?じゃあ今晩にでも言いなさいよ!」
「今日っ?」
「そうよ!まだ一緒に暮らしていないってのが、驚きなのよねぇ」
「まだあたしのお父さんと、冬真先輩のお父さんに認めてもらえなくて」
「それを乗り越えたら、きっと幸せがあるわ!」
この1年半年…。
先輩は本当に毎日会いに来てくれた。
仕事の合間抜け出したりして。
電話も週に2回。メールは毎日。
お泊り会もしたし、お互いの親には何度も同居を説得したけど―。