私は先輩の浮気相手。





少しでも先輩が赤くなる顔。

見たかったのに…!




「残念だけど、かすみちゃんは俺には勝てないよ」



「!」


「だって、俺が照れるのは、かすみちゃんにばれないようにしているからね」


「ず、ずるいです!」




「かすみちゃん、ポーカーフェイスだよ」


「出来ないですよ…」



フ、と笑った先輩は、あたしを抱きしめた。



「そんな事しなくていいよ。

俺はかすみちゃんが照れてる顔も、好きだから」





さりげなくそんな事を言う先輩は、本当にずるい。



「あ、本鈴だ……」



そしてまた授業をサボることになった、とある日の昼下がり―。

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