私は先輩の浮気相手。
「先輩、やっぱカッコええなぁ...」
「俺、アイツには勝てない気がする」
「そぉなん?」
「...好きな女関係は、な」
「あ、あのっ...なつみやったらどうなんっ?」
「何が?」
「や、やから!
好き言うたら....」
「え?」
ひらりひらり。
桜の花が散っていく。
「女の子って単純で、そんなところに男は惹かれちゃうんだよね。
どっちが単純かな。ねぇ、かすみちゃん?」
よくは見えないけれど。
先輩は桜の中で、儚げに笑みを零しているのだけは、薄らと見えた。