私は先輩の浮気相手。
あの日。
あたしが欲しかったのと一緒だ―。
「何で知ってるの?」
「街で見かけてて、欲しいなぁって...」
「凄いね。
やっぱ偶然でも嬉しくなる」
頬を緩めた先輩は、ネックレスをあたしに付けてくれた。
「うん。似合ってるよ」
「あ、ありがとう…ございます」
「敬語はまだいる?」
「あと少しだけ...」
「じゃあ、名前は?」
先輩の顔には「名前で呼んでくれないと悪戯するよ?」と書いてある。
さすがのあたしも観念するしかなかった。
「冬真....」
それから先輩と同居生活がスタートしたのでした――。