私は先輩の浮気相手。
小さく頷いて、先輩はへらっと笑った。
「その景色の場所、彼氏さんと行った事あるんでしょ?
だったら、思い出させちゃうんじゃないかなって」
「…そうですね」
「ほら。駅はあっちだから、行こう」
先輩の背中、こんなに大きかったっけ。
あ、れ。
あたしもしかして、先輩のこと―…?
ううん。
違う。
そんな簡単に誰かを好きになるわけがない。
大丈夫。
落ち着いて、自分。
あたしは一途な子なんだから―。