私は先輩の浮気相手。
後ろから唯が呼び止める声がする。
でも。
あの先輩、カッコよかったな。
優しそうで。
目も大きくて。
ちょっとハーフみたいだったし。
あれで白馬に乗ってれば、完璧王子様。
しゅうよりも高い身長。
ちょっといい匂いもした。
あー。
あぁいう人と付き合えば、もっと幸せなのかなぁ。
「もーっ!かすみってば、何で…」
「ふ。ああいうこ、手懐けるの楽しそう」
「えっ?あ、先輩ごめんなさい!唯のお兄ちゃんの知り合いだからって」
「いいんだ。俺、あの子に興味わいちゃった」
あたしの知らない所で、ゆっくりと歯車は動き出していた―。