私は先輩の浮気相手。
唯があたしを引っ張って、後ろに隠してくれた。
「しゅうはかすみが傷ついて、何回も泣いてたって聞いても、何も思わないでしょうね!」
「何でかすみが泣く必要あんだよ。
傷ついたの、俺なんだけど」
「…唯、コイツは何も理解できない。
もうほっとくのが一番だ。」
隼人がそっと唯に耳打ちした。
唯は思い切り、しゅうを睨んだまま、
「これからはかすみに近寄らないで!
もうアンタ等は別れたんだから!
他の女にでも慰めてもらいなさいよ!」
隼人と唯に押されて、部屋を出る。
最後に見たしゅうは、ただ俯いたままだった―。
しゅうの家を出たあたし達は、はぁと息を漏らす。