とらいあんぐる
奈々の想い
「奈々チャン いるかな?」
昼休み
翼と学食に向かおうとしていた時に私を探す声に立ち止まる。
声の主を探してみると、教室の入口に先輩らしき男の人が立っていた。
「あの…私に何か?」
警戒しながら話しかける。
―うわぁ…
苦手なタイプかも
金に近い髪を肩まで伸ばし、無造作に遊ばせてる毛先。日本人ですか?ってくらいに黒い肌。
「おぉ〜♪奈々チャン♪ちょっと用事があるんだけどいいかな☆」
やたらと軽く話しかけてくる。しかも疑問系で聞いておいて返事を待たずに腕を掴まれて連れられる。
「えっ!ちょっと…」
必死に離そうとするが、力では勝てない。
「奈々!」
翼が追いかけてきてくれてるのが見えてホッとしたが、男のほうは違ったらしい。
チッと舌うちすると走りだし、逃げ出す。