共学なんて聞いてない!
「お前立花桜奈だよな?」
「…」
うつむくあたしに降ってきた声。
違います、あたしはそんな人知りませんって言いたい…
というか、そもそもなんであたしの名前知ってるの…?
「まぁいいか。とりあえず、来い」
「…」
なおも黙り続けるあたし。
一応行きたくないという意思も込めて黙ってるけどね…
こんな陰キャラと関わってもなんも得しないんだからはやくどっか行って…
「はぁ…めんどくせぇ」
「…っきゃ!」
突然あたしの体がふわっと宙に浮いた
と思ったら、みんなが逆さまに立ってる…!?
「おい、動くな。落ちるぞ」
このときあたしは知りました。
みんなが逆さまにたっているんじゃなく、あたしが逆さまなのだと。
つまり、この不機嫌くんはあたしを担いでいるということ。
なんで担がれてるのあたし…
「お、おろしてください…!」
「っち…うるさ」
「だったらはやくおろしてください!」
誰か助けて…!
大嫌いな男子に担がれるなんて、いやすぎるよう…!