めいへ
『甘い砂糖みたいだよ』
私の耳元で艶っぽく囁く声は私を熱く溶かす。

『僕の話をよく聞いて、めい。でなければ

もういっそ殺(あや)めてしまおうかな。』

妖艶な声で腰が砕けそうになる私に

彼は追い詰めるように私の耳をあの薄く形の

いい唇で含む

『んっ、、あ』

舐めとる舌はまるで甘い砂糖でも舐めるように

丁寧に執念に、時折甘噛みをもして

私を酔わす

『甘い匂いがするよ。君はそうやって

僕や他の男を惑わすのかい?イケないよ。

僕だけに見せて。』

耳元は彼の舌遣いの音によりくちゅくちゅと

わざと音を立てて、たまに合う瞳は冷たく

切れ長のブルーの瞳が私捕まえて離さない

私が瞳を逸らすと頬をツゥーっと撫で

下がっていき喉元に手を当てて言った

『言うこと聞かないの?聞くでしょう?』

頑なに首を振る私に彼はため息を漏らして

わかった。と呟くと

今までとは違う、甘くて少し痛みのある

キスの痕をつけたが、私は知る由もなかった


これが、私に起こった高校転入初日の話。

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