鈴木くんと彼女の不思議な関係

「。。。って。」
「ん?」
「川村くんが抜いちゃってよ。」
「でも、大野さんすごく痛そうだし。」
「多恵、病院へ行こう。」
 痛みに耐えて、ブルブル震えながら脂汗をかく多恵を、これ以上見ていられなかった。
「大丈夫だから。川村くんやって。」

俺は川村に目をやる。
「抜けそうなのか?」
「結構大きいし、先っちょ出てるし、最初はそう思ったんだけど、、ちょっと触っただけでものすごく痛いみたいで。大野さん動いちゃうんだ。」

 川村は困った顔で彼女を見ながら言ったあと、俺に視線を移した。俺に決めてくれと言っている。多恵が俺の言う事なら聞くからだ。

「わかった。俺が押さえる。もう一度だけだ。あと1回で抜けなかったら医者へ行く。多恵。それでいいな。」
 多恵が頷いたので、俺は彼女を腕の中に抱え込んで、両手で右腕を机上に押さえつけた。うわ、身体が、いや、腕も、、や、柔らかい。ってか、多恵の匂いが。

「よし、いいぞ。やれ。」
 彼女の柔らかさと匂いに酔いそうになりながら、俺はかけ声をかけて、理性を奮い立たせた。川村に緊張が走る。多恵の顔が恐怖に歪み、緊張で身体が震えだした。と、突然、彼女の躯が暴れだす。押さえつけた右腕にビクビクと力が入り、左手が俺の腕を掻きむしる。
「んぅっ。んっ。。ぁっ。」
「もう少し。今、、」

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