鈴木くんと彼女の不思議な関係
鈴木の告白は、多恵にとっては突然すぎて、上手く理解できなかったんだろう。それくらい見ていればわかるし、多恵はそれで良いのだ。男に恋する多恵など見たくない。なのに、何故だろう。イライラするのは。
多恵は私にとっても特別な女の子だ。可愛らしい容姿に不釣り合いな皮肉屋。でも本当は、不器用なくらい正直で、お世辞も上手に言えない代わりに、陰口を叩いたりもしない。優しくて賢い、誰より信頼できる子だ。あの子となら、手を繋いでどこまでも走れる気がする。あの素直な器に、私のすべてを注ぎ込んでやりたくなる。
明日、多恵は私に鈴木の事を話してくれるだろうか。私はなんと答えてやろう。鈴木は、大丈夫だろうか。温まっていく布団の中で、2人の事を考えながら眠りについた。