鈴木くんと彼女の不思議な関係

 ななななんてこと言いやがる。ここは教室だぞ!クラスの半数近くが、さっきから騒がしい俺達の会話を、聞いてないフリをしながら聞いてるのを、お前だって気付いてるだろ?

「バレバレよ。知らない人なんかいないんだから。」

 バレバレって、、何が?!俺が多恵を好きだった事か?それともこの前、告白ってフラレたことか?なんでここでそんな事を暴露されなきゃならんのだ。時と場所をわきまえろよ!くそばばぁ!

「こっ。このっ。」
「何よ。」
「くそばばあっ。」
 言うに事欠いてクソババアとは、我ながら幼稚すぎる。と自己嫌悪しても遅かった。一瞬で揚げ足を取られた。

「やっだぁ。”くそばばあ”だって。小学生みたぁい。演劇部のくせに、語彙が貧弱ぅ。」
「うるせぇ!」
「少しは神井を見習って、本でも読んだらぁ?」
「うぐっ。」

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