鈴木くんと彼女の不思議な関係
神井の名まで出され、俺はさらにハンマーで頭を殴られた程のダメージを受けた。
多恵の溢れ出すような創造力に、俺はついていくのが精一杯だった。その多恵の好奇心は、今、神井の書く物語に夢中なのだ。多恵が憧れるものを、俺にないものを、神井は持っている。その事実に打ちのめされる。
何か言い返したかったが、それ以上は、もう言葉が出なかった。清水は俺をKOしたことに満足したのか、きびすを返して去って行った。
「くっそー。言いたい放題いいやがって。」
思わず負け惜しみが口からこぼれた。