鈴木くんと彼女の不思議な関係
放課後、帰り支度をして教室から出て行く清水に声をかける。
「ごめんなんだけど、、小森さんだっけ?に、その、謝っといてくれないか。」
「ちゃんと、自分で謝ればいいじゃない。」
「俺、そういうの苦手なんだよ。知ってるだろ?」
「そんなの得意な人いません。」
「頼むよ。」
「ま、いいけどね。」
清水はさっきのことなど忘れたようにいつも通りに答えてくれる。女はもっと執念深くて、なんだかよく解らない理屈で臍を曲げてイヤミを言い続けるものだと思っていたが、清水は違う。。あ、多恵も違うか。。案外、女子も面倒な子ばかりではないのかもしれない。
「多恵の事はもうふっきれたの?」
前言撤回。やっぱり女は面倒だ。デリカシーに欠ける。
「あぁ。。もういいんだ。」
「だったら、他の女の子のことも見てみなよ。あんたモテるんだからさ。」
あのニョロニョロ達が意味不明にキィキィ騒ぐのをモテると表現するのなら、俺はそんなモノに興味は無い。それをお前に言われても、自分はどうなんだと言いかえしてやりたい。お前こそ、男は滅びろとか言って、同性愛に走っているんじゃないのか。
「興味ないね。」
「興味ないかどうか、名前も知らないうちから、決めるなって言ってるのよ。お友達からって言葉があるでしょう?」
「ニョロ、いや、、女の友達なんて必要ないよ。面倒くせぇ。」
「そうかしら。」
「今は勉強だろ。高3だぞ。」
「確かに、そうね。」