鈴木くんと彼女の不思議な関係
俺と布施は顔を見合わせた。気まずい空気が流れる。だが、もう決まってしまった事なのだ。
「だけど、お前がいるのに他の子にジュリエットやらせるのかよ。その子の方が可哀想だろ。」
7組で劇をやると言えば清水が出ると誰もが思うだろうし、ヒロインは演劇部の舞台での清水と比べられないわけがないのだ。今度は清水の方が唸ってしまった。
「由里ちゃん、そこをなんとか。」
布施が軽薄に手を合わせて清水を拝む。だが拝んだところで、清水の問題は消えない。やはりクラスの皆に事情をよく説明して何か他の手を。。。
「だったら条件がある。」
清水が言った。何か思いついたのか。
「おう、言ってみろ。」
「男役だったら出ても良い。」
「男役?。。そうか!宝塚みたいにするのか。」