鈴木くんと彼女の不思議な関係
「は?」
「あんたがいつも独占するから、、演劇部で友達も出来なかったじゃないの。」
「俺が?独占?」
「そうよ。いつもあんたが間に立っちゃって、役者の子達と話をさせなかったじゃない。」
「そ、そんなつもりは。。」
「仕事も別々なのに、人見知りで誤解されやすい子なんだから、もっと交流させないと友達出来ないでしょうが。」
「えっ?でも、多恵は。。えっ?」
鈴木は混乱して言葉を失っていた。目を見開いて、何かを必死に考えている。だが、その顔色は次第に青ざめて行った。
「あんた。本当に何も分かってなかったの?そんなわけないでしょ。」
見たくないものを見ずに、閉じた世界で、全てを後回しにして、甘やかな時間だけを貪った。その日々の代償の大きさに愕然としているのだろう。だが、いまさら反省しても遅い。鈴木の呼吸はしだいに荒くなり、しばらくしてやっと言葉を絞り出した。