甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
パタン…

部屋のドアを閉める。

身体がフワフワしてる感じだ。

暗がりで、バッグの中のスマホが点滅してる。

三時間前の着歴は"アトリエ シュウ"の番号だ。

あ、留守録…ピッ

『都ちゃん。ご無沙汰です。お願いしたいことがあります。何時になってもいいので、折り返し電話ください』

何時でもいいって、急ぐってことよね?

RRRR…

『はい。アトリエ シュウです。本日の業務は終了しました…』

やっばり、出ないよね…明日にしよう

テープが流れ続ける。

『ご用件を…『都ちゃん?』』

「シュウさん?遅くなってすみません。
今大丈夫ですか?」

『電話ありがとう。
"M'sガーデン"て、都ちゃんだよね?」

「どうして?」

"M'sガーデン"は、私のブログの名前だ。

『だって、載ってる作品を見ると、都ちゃんが好きそうな感じの作風だし、うちの花材を使ってるし、添えられた文章が都ちゃんっぽいんだ』

「…そうなんですかぁ」

『ごめん。話が逸れた…で、クリスマスリースと、その前に秋に作った籠にバラ4種とデルフィニウム、ドラセナで作ったアレンジって、家にまだある?』

「それなら、ありますよ?」

『良かったら、明日見せて欲しい。
葵に迎えに行かせるから』












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