甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
エド・シェラトンといえば、パリ在住の"花の魔術師"と呼ばれる世界的に有名なフローリスト。

そんなすごい人が私の作品を気に入ってくれたの?

「えぇぇぇぇ…⁉︎」

人は驚き過ぎると、感動が後から押し寄せてくるらしい。

「都ちゃんなら大丈夫だ。僕も応援するし、頑張ろう」

そう言ってくれたシュウさんが、私の手を握ろうと…したけど、葵さんに遮られた。

「応援するのと、都に触れるのとは別の話だ」

ピシャリとシュウさんの手を払い退ける。

「ちょっ…!
ヤダね〜独占欲の強い男って。そんなに心が狭いと、都ちゃんに愛想をつかされるぞ〜」

「黙れ」

ほんのり頬が赤い葵さんが、シュウさんにタジタジだ。

(かわいい…)

いつもポーカーフェイスで、余裕な葵さんからは想像つかない。
< 107 / 159 >

この作品をシェア

pagetop