甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
「都…あのベンチまで歩けるか?…て無理っぽいな。
緊急事態だから、堪忍な…ヨッ…と」

大樹に抱きかかえられ、ベンチに連れてこられた。

温かいミルクティー缶を渡される。

「ねえ、葵さんって、双子の兄弟いるのかな…」

「さあな…」

「めっちゃ、似てたね…」

「ああ、身代わり受験できそうだな」

「あの着物の女性の香り…葵さんの車でも香ってた」

「………」

「………っ」

ぎゅうぅぅ

「…大丈夫だ。都」

「…ひっく、……ひっく…」

ぎゅうぅぅ

「……っ、…うわぁぁぁ…」

堪えてた気持ちが、一気に溢れた。

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