甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
ポタ、ポタ、ポタ…

白い…

右も、左も、上も…全てが白い。

ポタ、ポタ…

だんだんと、覚醒していく。

点滴…?

「ここ……病院?」

声、出た…

「都!」

私が寝かされてるベッド傍にいた大樹が駆け寄る。

「都……っ」

大樹の大きな手が、そっと頬を撫でる

「…大樹が、私を見つけてくれたの?」

目を真っ赤にした大樹が、こくん…小さく頷く。

「…目、覚めて良かった」

「痛っ!」

「あーー、都さ、腹減っとったん?
行き倒れになった宇宙人かと思ったら都だったんや」

いつもの調子に戻った大樹だ。

「夕方になってね、お腹へったなって。
買い物へ行こうとしたの。転んじゃったんだね〜
来てくれて、ありがとう。見つけてもらえてなかったら、餓死する前に凍死してたかも」

「せやろ?俺は命の恩人やで」













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