甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
クリスマスの買い物客で賑わう道を、宮澤さんと歩く。

コインパーキングに停めてある白いSUV車のサイドミラーがパッと点滅した。

白い車体も、すっきりとした車内も爽やかな宮澤さんのイメージどおりだ。

しばらく車を走らせると、見慣れた景色が見えてきた。

左手前方に、パリの街角を思わせるお店"アトリエ シュウ"

宮澤さんは、駐車場に車を停めると、助手席のドアを開けてくれた。

「わあ!」

予想どおり、お店はクリスマス仕様だ
道路に面したガラス張りのディスプレイは、ホワイトクリスマス。

白い大輪のバラで作られたツリーと、テーブルセッティングされた食器とフラワーアレンジメントの数々…。

「気に入ってくれた?」

いつの間にか隣に立っていた"アトリエ シュウ"のオーナーのシュウさんに声をかけられる。

(…言われてみれば、シュウさんと宮澤さん、
笑った時の目元が似てる!)

「はい!私も今年のリースは白にしようと思ってるんです。シュウさんのアレンジ素敵です」

と頬を染めた。
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