甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
「ありがとう。冷たいお水のおかげで胃の中がスッキリしたわ。ありがとう。
総会の続きに参加するわ」

ちゃんと見届けないと、主人に叱られちゃう…と元気を取り戻したご婦人。

「ではタイミングを見て戻りましょう」

と、ご婦人に付き添った。

「じゃあ、都、お願いしますね。美希子先輩に伝えておくよ」

・・・・・

大ホールの外側の扉を開けて、ご婦人と一緒に中へ入る。

扉はもう一枚ある。微かにホール内の声が聞こえてくる。

(白熱してるなぁ…)

(でしょ?)

ご婦人が目で答える。

・・・・・

「私の会社だ。自分の会社の役員を指名して、何が悪いんだ⁉︎」

「悪くはないですよ。ただ、この常務取締役の内、山村 涼さんは21歳で大学生ですし、山村 響子さんは専業主婦です」

「大学生や主婦が仕事をしちゃいかんのか?」

「いいえ。大いに結構ですよ。
ただ、お二人とも、この一年間、一度も会社に出勤していない。

それでも、役員手当てが毎月支払われています。

これって…どうなんでしょう?」

(この声‼︎ )

トリニティ側で、応酬してる声…

(葵さんだ…)




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