甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
(行きましょう。こっちでいいと思うわ)
すっかり元気を取り戻したご婦人に、逆に案内される。
前方の壇上、やっぱり葵さんだ。
(彼…宮澤さんって言うのね。素敵よね〜 あの彼が刷新委員会の委員長に就任したのよ。
気持ち悪かったけど、素敵な人の話してる内容は聞いてたのよ)
ほほほ…とご婦人。
(刷新委員会を発足したということは、うちがトヨトミにテコ入れするってことか…。
だから、葵さんをほとんど見かけなかったのかも。委員長に抜擢されたなら、通常の業務もあるから、相当な忙しさだったんだ)
「葵さん、父は心臓が弱いのよ。倒れたりしたら貴方、どう責任を取るの?」
(あの女性…京都で葵さんの隣にいた人だわ。専務のお嬢さんなの?
しかも"葵さん"て…)
カツン…
葵さんが靴を鳴らして、女性の方を向く。
「山村 響子常務取締役、自分は貴女に名前呼びされるような関係にありません。
以後は苗字で呼んでください。
もっとも、ここにいらっしゃる株主の皆様のご意見を伺い、結果次第では、二度とお会いしませんが」
「………」
「山村専務と弊社の梶浦は毎月のようにゴルフでご一緒してます。
とても、お元気なご様子と伺ってますよ?」
「………」
「どうぞ、ご着席ください。採決を取ります」
葵さんが、ピシャリと言うと、山村 響子さんは静かに着席した。
響子さん…既婚者だったの…。
・・・・・
すっかり元気を取り戻したご婦人に、逆に案内される。
前方の壇上、やっぱり葵さんだ。
(彼…宮澤さんって言うのね。素敵よね〜 あの彼が刷新委員会の委員長に就任したのよ。
気持ち悪かったけど、素敵な人の話してる内容は聞いてたのよ)
ほほほ…とご婦人。
(刷新委員会を発足したということは、うちがトヨトミにテコ入れするってことか…。
だから、葵さんをほとんど見かけなかったのかも。委員長に抜擢されたなら、通常の業務もあるから、相当な忙しさだったんだ)
「葵さん、父は心臓が弱いのよ。倒れたりしたら貴方、どう責任を取るの?」
(あの女性…京都で葵さんの隣にいた人だわ。専務のお嬢さんなの?
しかも"葵さん"て…)
カツン…
葵さんが靴を鳴らして、女性の方を向く。
「山村 響子常務取締役、自分は貴女に名前呼びされるような関係にありません。
以後は苗字で呼んでください。
もっとも、ここにいらっしゃる株主の皆様のご意見を伺い、結果次第では、二度とお会いしませんが」
「………」
「山村専務と弊社の梶浦は毎月のようにゴルフでご一緒してます。
とても、お元気なご様子と伺ってますよ?」
「………」
「どうぞ、ご着席ください。採決を取ります」
葵さんが、ピシャリと言うと、山村 響子さんは静かに着席した。
響子さん…既婚者だったの…。
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