甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
・・・・・

「佐久間さん!待って」

それから何日間かして、刷新委員会の森本さんに呼び止められる。

「この間のマフィン美味しかったよ。
ごちそうさまでした!
ピンクや黄色で綺麗な色だったけど、どうやって色つけたの?」

「あれは野菜なんです。野菜不足を解消しようかと」

「へぇー、すごいな。そんなこと出来るんだ。またよろしくね〜」

(良かった。美味しく食べてもらえたみたい)

コツン…

「おはよう」

ふわり…懐かしい匂い

葵さんだ…

「おはようございます…」

「………」

「………」

無言で見つめ合う。

「差し入れをありがとう」

「いえ、私に出来ることって、このくらいですから」

「18時。三光堂で待ってる」

「………」

突然のことで、うまく返事が出来ないでいる私に

「待ってる」

と更に葵さんは言い、刷新委員会室内へ入って行ってしまった。

えぇぇぇーーー⁉︎

< 143 / 159 >

この作品をシェア

pagetop