甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
「何でもないんです!それより、先日はシュウさんのお店に連れていっていただいただけでなく、自宅まで送ってくださりありがとうございました」
と早口でお礼を伝えた。

「いいえ、どういたしまして」と葵は笑いを堪えながらうなずいた。

「………」

なんとなく、成り行きで駅までの道を宮澤さんと並んで歩く。

(背、高いな〜)

右側の車道側を歩いてくれる宮澤さんをチラ見する。

7センチヒールを履いた156センチの私より頭一つ分は高いな。

背筋もピーンとしてて、かっこいい。

さっきから、すれ違う女性たちの視線を感じる。

何か話さなくては…う〜ん

「そういえば、クリスマスリースが出来上がったの?」と宮澤さん。

「?、どうしてそれを?」

「この間、社食で楽しそうに話してたから」

(騒ぎ過ぎたかも…はずかしい)

「はい、昨日完成しました。頑張り過ぎて、指が少し痛いです」へへへ…と笑ってみる。

宮澤さんは「そうか、そうか…ほどほどにね〜」なんてニコニコと私を見てる。




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