甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
暖簾をくぐって、お店の中に入ると、お出汁の香りがさっきより濃くなる。

(ヨダレが垂れてしまいそう…)

カウンターに宮澤さんと並んで座る。

大きな鍋に、玉子、大根、こんにゃく、はんぺん、ガンモ、ちくわ、牛スジ…ぐつぐついってる!

「佐久間さん、好きなものを頼んでね」
と宮澤さんが言ってくれ、大将オススメの冷酒もお願いした。

「美味しい。日本酒って、あまり飲んだことないですけど、飲みやすいんですね」と、口当たりのいい冷酒を少しずつ飲む。

・・・・・

時刻は22:00

おでんの店を出て、シーンとした住宅街を宮澤さんと並んで歩く。

美味しかったな〜

私がお手洗いに行ってる間に、お会計を済ませてくれた宮澤さん。

「いくらでしたか?」と聞いても「忘れちゃった」と教えてくれない。



暖かった店内と、冷酒のせいで頬を染めてる私をニコニコ笑いながら見てる。





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