甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
それからが戦場のようだった。

まず、原稿を印刷するために、印刷室に事情を話し、松田の原稿を割り込ませる原稿が整い次第すぐに印刷してもらえるようにした。

昼までに、原稿の修正を終え、美希子先輩に校正してもらう。そして、藤枝室長のGOサインが出た。

通達を明日発送するためには15時までに作業を終えたい。

いつもなら、印刷室の人たちにお任せしてる用紙のホッチキス留めを美希子先輩と三奈と私も手伝う。

全支社へ通達する際は、大抵の場合オンラインで一斉送信されるが、今回のように紙媒体で発送しなくてはならない場合もある。

インクの匂いに囲まれながらの作業は、ここは新聞社なの?と妄想したくなる。

時間に追われ忙しいけど、印刷室の人たちとの作業は一体感が生まれ、私は好きだ。
< 28 / 159 >

この作品をシェア

pagetop