甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
納会も終わり、テーブルの上のグラスや空き缶などを片付ける。

給湯室で、ゴミ袋の口を縛りながら、

「クリスマスもあっという間に過ぎちゃって…来年こそ、いい男に出会えるよう初詣の賽銭多めにしよっと!」と三奈

「ねえ都、初詣は宮澤課長と行くの?」
と小声で尋ねる。

へ?何ですと⁈

間抜け面の私に、違うの?と三奈が目で聞いてくる。

「な、何言ってるの?あり得ないから!
絶対にない、ない‼︎」

と全力否定したと同時くらいに、給湯室のドアが開き、灰皿を持った宮澤さんと松田が入ってきた。

(聞かれた?…本当のことだから、いいよね?感じ悪くないよね?)自問自答する私

「佐久間、ちょうど良かった。ラインしようと思ってたんだけど、正月に神社行かないか?今年も実家に帰るよな?」と松田が聞いてくる。

私と松田の実家が、じつはとても近いということが今年の初めに判明した。

実家近くの神社で会った時は本当にびっくりした。

「やだ、松田!私は?」と言う三奈に

「何言ってんの?田中は彼氏と過ごすんだろ?独り身の佐久間と俺で、縁結びの神様にもお詣りするの」
しれっと言う松田。
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