甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
午後3時

宮澤さんのヨミどおり、京都の実家近くまで来た。

「次の信号を左折して…あの緑色の看板のある三叉路は右へ行ってください」

見慣れた街並みを宮澤さんの車は進む

「あれです」と車を止めてもらい、車2台分の駐車スペースに止めてもらう。

20センチほど開いてる格子戸をガラガラと開け、その先の玄関へ進む。

車の音を聞いて、表に出てきたお母さんが出迎える。

「都、おかえりなさい…え?宮澤葵さんって、(女の人じゃなかったの?)」
急に小声で聞いてくる。

母も"宮澤葵さん"を女性だと思ったらしい。こういう勘違いするのは佐久間家の人たちだけなのか⁈

「こんにちは。都さんと同じ会社の宮澤です」長距離運転の疲れを全く感じさせない爽やかな笑顔。

あ、お母さん…赤くなった。

「まあ、まあ、遠い所をありがとうございますぅ」

語尾が高くなってる…。

「ミヤ姉、おかえりぃ
宮澤さん、初めまして。弟の翔太です」





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