甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
温かい烏龍茶を飲みながら、
「だーかーらー、俺さ、入社式で佐久間に会ってから、ずっと好きなの。
入社式が始まる前にさ、急な雨でスーツがびしょ濡れになった哀れな男にタオルくれたろ?」
あーあったな….そんなこと。
「あーいたいた。松田くんも近くにいたの?あの人、めっちゃ濡れちゃってて、これから式典が始まるのに、眼鏡も水滴だらけで…」
松田にじっと見つめられる。
「分からない?その眼鏡野郎が俺」
松田が自分を指差す。
「へっ?あの時の眼鏡くん…松田くんだったの?
松田くんって、視力良さそうなイメージなのに」
「俺、どんなイメージ?まあ、いい。
あの時、みんな自分のことでいっぱいいっぱいで、びしょ濡れの俺のことなんてスルーだったんだ。
だけど、佐久間だけは違った。
そんな優しい佐久間に惹かれたんだ。
本社に採用になって、運良く新人研修でも一緒になったのに、佐久間…俺のこと全然覚えてなくてさ、まあ、忘れてるなら、それでもいいかとも思ってたんだけどね。
ただ、俺がどんだけ佐久間のことが好きか知ってもらいたいから、ぶっちゃけてみた」
照れたように、松田が上目遣い気味に見る。
「だーかーらー、俺さ、入社式で佐久間に会ってから、ずっと好きなの。
入社式が始まる前にさ、急な雨でスーツがびしょ濡れになった哀れな男にタオルくれたろ?」
あーあったな….そんなこと。
「あーいたいた。松田くんも近くにいたの?あの人、めっちゃ濡れちゃってて、これから式典が始まるのに、眼鏡も水滴だらけで…」
松田にじっと見つめられる。
「分からない?その眼鏡野郎が俺」
松田が自分を指差す。
「へっ?あの時の眼鏡くん…松田くんだったの?
松田くんって、視力良さそうなイメージなのに」
「俺、どんなイメージ?まあ、いい。
あの時、みんな自分のことでいっぱいいっぱいで、びしょ濡れの俺のことなんてスルーだったんだ。
だけど、佐久間だけは違った。
そんな優しい佐久間に惹かれたんだ。
本社に採用になって、運良く新人研修でも一緒になったのに、佐久間…俺のこと全然覚えてなくてさ、まあ、忘れてるなら、それでもいいかとも思ってたんだけどね。
ただ、俺がどんだけ佐久間のことが好きか知ってもらいたいから、ぶっちゃけてみた」
照れたように、松田が上目遣い気味に見る。